伝道掲示板に思う(1月上旬)
【言葉のプレゼント】
12月31日の11時半から、専徳寺では「除夜会」を開いています。
鐘をついて、深夜から讃仏偈のおつとめと短い法話。
今年も100人近い方が集まってくださいました。
鐘をついた方にお菓子と一緒に「言葉のプレゼント」として、
その年の専徳寺の伝道掲示板の中から選んだ言葉をお渡ししています。
「一歩でも前進」
「空 ありがとう 今日も 私の上にいてくれて(谷川俊太郎)」
誰が何を選ぶか分かりません。
中には毎年その言葉を楽しみにしてくださる方もいます。
【50年の歴史】
先日、Nさんから電話がありました。
「専徳寺ウェブサイト、いつも楽しくみています。
それで伝道掲示板なのですが、
今までのも観たいのですが。」
「どうぞどうぞ、『過去の掲示板』をクリックすれば観られますよ。」
「でも私、眼が悪くて、長いことパソコンを眺めることができなくて。」
「・・・・分かりました。印刷して送りましょう。」
少し面倒だなと思いながら、「過去の掲示板」をクリック。
すると2007年の掲示板まで出てきました。
コピーしながらふと、「まてよ過去の掲示板、いったいどこまであるのか・・・」
掲示板を作っているのは前住職。
たずねると1975年12月から始まったようです。
その数、実に千を超えます。
Nさんのおかげで思いがけず専徳寺の半世紀の歴史を知りました。
【大賞】
「輝け、お寺の掲示板大賞!」というのがあります。
仏教伝道協会が2018年から始めた企画で、
全国のお寺の前の「掲示板」を写メして投稿してもらい、
その中から「大賞」等を決めるというものです。
2025年の大賞は、
「自分ファーストという貧しさ」でした。
そのほかにも素敵な言葉がいろいろ出てあり、私自身も大変勉強になりました。
よければこちらをご覧ください。
【安心を届けたい】
掲示板といえば先日、桂春蝶さんという落語家を知りました。
1月11日に岩国錦帯橋近くの西福寺さんの「錦帯寄席」に出演され、
チケットを購入した際、西福寺さんから次の動画をおしえてもらいました。
「鏡の中の親鸞」
桂春蝶の一時間をこえる創作落語。
脚本といい芸といい、大変感動しました。
その春蝶さんのチャンネルを他にも見ていると、
「桂春蝶の安心をお届けするビデオレター」というコーナーが。
2020年、緊急事態宣言の時に配信されたシリーズで、
自宅待機のため仕事がない、収入がない、そんな不安な人に元気になってもらおうと、
春蝶さんが集めたお寺の掲示板の言葉を笑いもまじえて紹介くださっていました。
その第一回目が、
「高い壁は 乗りこえた時 あなたを守る 砦となる」
危うく破門されそうになった自らの「壁」(?)のお話をまじえて、
楽しくお話くださっていました。
【生死を乗りこえて】
仏教において「高い壁」とは「生死(しょうじ)の問題」です。
生きる上での問題以前の、生きているそのことの問題です。
死の問題もその一つでしょう。
「全然死ぬのは怖くない」という変わった方も時々おられますが、
私は死は怖いです。
その原因は死にとらわれてしまう私凡夫の煩悩にあるというのが仏教の道理。
煩悩の問題をのりこえた時、それを仏教で「おさとり」といいます。
ところで親鸞聖人にこんな和讃があります。
罪障功徳の体となる
こほりとみづのごとくにて
こおりおおきにみずおおし
さわりおおきに徳おおし
底知れない煩悩を持ち合わせた私を救いの目当てとした阿弥陀如来にであう時、
無限の煩悩にとってかわる無辺の光明・無量の徳をそなえた名号に、
支えられたわが身の上と知らされます。
苦しみ悲しみの原因たる煩悩はとめどなくわきでるわが心ですが、
喜びかみしめずにはおられない仏のお徳に、お念仏をとなえるばかりです。
高い壁・・・この煩悩のおかげで阿弥陀さまにであえました。
そんな事を思う年始めです。
(おわり)
#HP法話
カテゴリー:法話
投稿日:2026年01月11日